環境の構築
環境の構築では、次の内容をあつかいます。
- Pythonの導入
- Visual Studio Codeの導入
- Visual Studio Codeの使い方
- Pygameの導入
Pythonの導入
まずはPythonの導入です。公式サイトのDownloadページからインストーラーを入手してインストールします。通常のソフトのインストールと同じですので、それほど迷うことはないでしょう。

少しだけ補足します。Windowsでインストールする際には、「Add Python 3.x to PATH」というチェックボックスが表示されます。このチェックを入れると、環境変数のPATHに、Pythonをインストールしたパスが追加されます。CLI環境からpythonコマンドを利用したいときにはチェックを入れます。
Visual Studio Codeの導入
Visual Studio Codeとは、VSCodeとも略されるMicrosoft社製のコード エディターです。無料で利用でき、非常に多くの人が利用しています。今回の連載では、このVisual Studio Codeを利用して学習と開発を進めていきます。Visual Studio Codeの名前は長いので、以降VSCodeと表記します。
公式サイトからインストーラーを入手してインストールします。通常のソフトのインストールと同じですので、それほど迷うことはないでしょう。

VSCodeは、さまざまな拡張機能を入れることで機能を強化できます。Pythonで開発をおこなうときには、Microsoft社製の拡張機能Pythonを導入するとよいです。

VSCodeのウィンドウの左にある柱から、「Extensions」(拡張機能)を選び、入力欄に「Python」と入力して検索します。リストにPythonが表示されるのでインストール ボタンを押します。
この拡張機能を導入すると拡張機能Pylanceも自動で導入されます。このPylance(IntelliSense)の機能は有用です。自動入力補完や、構文確認などの機能が利用できるようになります。
Visual Studio Codeの使い方
VSCodeのウィンドウにフォルダーをドロップすると、そのフォルダをプロジェクトとして開きます。VSCodeは、プロジェクト単位で開発をおこないます。
プロジェクトを開いたら、EXPLORER(ファイルとフォルダーのツリー)が表示されます。もし表示されていないなら、左側の柱のファイルアイコンをクリックするか[Ctrl+Shift+E]キーを押してください。EXPLORERからファイルを開いたり、ファイルやフォルダーを作ったりできます。
VSCodeは、プログラムを書くだけでなく実行もできます。実行方法は大きく分けて2つあります。1つはVSCodeのデバッグ機能を使う方法です。もう1つはターミナルを使う方法です。
今回は、ターミナルでいくつかの作業をおこないますので、ターミナルを使う方法を紹介します。ターミナルは、文字ベースで作業をするCLI(コマンド ライン インターフェース)です。
メニューの「View」>「Terminal」を選択するか、[Ctrl+@]キーを押すことで、VSCodeの下部にターミナルを開きます。ターミナルを開くとフォルダのパス> というプロンプトが表示されます。このフォルダのパスが、現在の操作対象のフォルダになります。
こうした、現在操作対象のフォルダーのことを、カレント ワーキング ディレクトリ(現在の作業ディレクトリ、カレント ディレクトリとも)と呼びます。
他の階層に移動したいときは、cd フォルダ名と入力して[Enter]キーを押します。そうすると、現在のフォルダ直下の、指定したフォルダーに移動します。また、cd ..と入力して[Enter]キーを押すと、1つ上のフォルダに移動します。
フォルダー名を入力するのが面倒なときはcd (cd半角スペース)まで入力したところで[Tab]キーを押します。[Tab]キーを押すたびにフォルダー名が切り替わります。[Shift+Tab]キーなら、逆の順番で切り替わります。
また、VSCodeのEXPLORERで、フォルダーやファイルを右クリックして、メニューから「Open in Integrated Terminal」を選ぶと、そのフォルダーのパスでターミナルが開きます。
このターミナルにさまざまなコマンドを入力することで、Pythonのプログラムを実行したり、公開されているパッケージ(Pythonの機能を拡張するファイル群)をインストールしたりできます。
それでは[Ctrl+@]キーを押してターミナルを開いてください。python --versionと入力して[Enter]キーを押してください。Pythonを利用する準備が整っていれば、「Python 3.XX.X」(Xは数字)のようにバージョンが表示されます。
C:\~ > python --version Python 3.XX.X
また、pip --versionと入力して[Enter]キーを押してください。「pip」はPythonの公開パッケージをインストールするコマンドです。「pip XX.X from ~」(Xは数字)のようにバージョンが表示されます。
C:\~ > pip --version pip XX.X.X from C:\~\pip (python X.XX)
それでは最初のプログラムです。
プロジェクト内にtest.pyというファイルを作り、print("hello world")と入力してください。そのファイルのあるフォルダーでターミナルを開き、python test.pyと入力して[Enter]キーを押します。ターミナルに「hello world」と表示されれば、最初のプログラムは成功です。
print("hello world")
VSCodeのデバッグ機能を使う方法
補足の説明です。
VSCodeの実行機能を使う場合は、実行したいファイルを開いた状態で、左側の柱の三角形と虫アイコンを押すか、[Ctrl+Shift+D]キーを押します。そして「Run and Debug」ボタンを押して「Python Debbugger」>「Python File」を選びます。




少しだけ説明を追加します。実行するファイルがプロジェクトのルート(最上位)にないと、相対パスで画像などを読み込もうとすると失敗します。これは、何も設定していないと、カレント ワーキング ディレクトリがプロジェクトのルートの状態で実行されるためです。
Pygameの導入
Pythonでゲームを作るためのライブラリPygameを導入します。Pygameは、Pythonでクロスプラットフォームのゲームを開発できるパッケージです。Pygameは無料で、LGPLライセンスに基づいてリリースされています。そのため、フリーゲームや商用ゲームを自由に開発できます。

ドキュメントはDocsのページで閲覧できます。説明は英語ですが、Webブラウザーの翻訳機能を使えば日本語で読めます。

それではPygameをインストールしましょう。VSCodeでターミナルを開き、次のコマンドを実行します。
pip install pygame
このコマンドの意味は「pipを実行」「インストールをおこなう」「pygameを」です。グローバル環境(ユーザーが共通で利用できる場所)にPygameがインストールされます。インストールが終わったら、上手く導入できたか確認しましょう。次のコマンドを実行します。
pip list
次のようにリストが表示されます。リストに「pygame」が入っていれば、インストールは成功です(Xは数字)。
Package Version ------- ------- pip XX.X.X pygame X.X.X
ここまでで準備は整いました。それではPythonのプログラムに入っていきましょう。
Pygameの基本コード
まだ、Pythonの文法については何も学んでいない状態ですが、コピー&ペーストでプログラムを用意して実行してみましょう。
まず、basicフォルダーを作りVSCodeで開きます。basicフォルダーの中にmain.pyという空のファイルを作ります。次に、記事ページ上部の「サンプルファイル」をダウンロードし、Zipを解凍するとpygameフォルダーの中に同じくbasicフォルダーがあり、その中にicon.pngが入っています。このicon.pngを、自分で作ったbasicフォルダーに配置します。
basic/
main.py
icon.png
そして、main.pyに次のプログラムをコピーして貼り付けます。
import pygame # Pygameをインポート
pygame.init() # Pygameを初期化
screen = pygame.display.set_mode((800, 600)) # 画面作成
image = pygame.image.load("icon.png") # 画像読み込み
running = True # 実行継続フラグ
while running:
for event in pygame.event.get(): # イベントのリストを得る
if event.type == pygame.QUIT: # 種類がQUITなら
running = False # 終了
screen.fill((0, 0, 0)) # 画面を塗りつぶす
screen.blit(image, (32, 32)) # 描画
pygame.display.flip() # 画面フリップ
pygame.quit() # Pygameを終了
準備が整ったら、basicフォルダーでVSCodeのターミナルを開き、次のコマンドを入力して[Enter]キーを押します。
python main.py
次のような画面が表示されたら成功です。
それではこの基本コードが読み解けるように、これからPythonの基本的な文法を学んでいきましょう。そして、ゲームを作りながら、実際にはどのようなプログラムを書けばよいのか確かめていきましょう。

