ピクシブがLLM利用率80%を実現した「テクノロジー・プロセス・ピープル」三位一体の変革
【19-A-3】LLM利用率80%への道筋:ピクシブが実践した「People・Process・Technology」三位一体の変革とは?
創作プラットフォームのピクシブは、GitLab Ultimateで開発基盤を整備するというテクノロジーの変革に加え、プロセスやピープルを改革する取り組みを通じて、会社が指定するLLMの利用率を48%から80%へと高めるなどの成果を生み出している。LLM時代を見据えた組織とエンジニアのあり方とは。
LLM活用率向上のために多角的かつ地道に取り組みを重ねるピクシブ
ピクシブはWeb 2.0の盛り上がりのなか誕生した創作プラットフォームだ。イラスト投稿から始まり、マンガや小説、コミュニティまでサービスを多岐に展開し、事業を大きく成長させている。老舗となる同社が今でも積極的にサービスを改善し続けられるのは、開発組織体制やカルチャーが大きな役割を果たしているからだ。その象徴がエンジニア横断組織のギルド。
プロダクト開発ギルド Unit Leadであり、開発サイクル改善CoE責任者を務めるbash氏は、いまLLMによってもたらされている変化について「ひたひたと来ている」と肌で感じ取っている。「これまでは“何を書いたか、何をやったか”で評価される部分がありました。今では背景をどう読み取り、なぜそのアプローチを選んだのか。他にどんな選択肢があり、なぜそれをしなかったのか。そうした思考プロセスがより重要になってきています」と説明する。
いまソフトウェア開発に限らず、さまざまな仕事の業務プロセスが変化している。GitLabの川口修平氏は「こうした変化に対応する時に避けて通れないのが、まず自分たちが変わること。ただし人は成功体験や確立されたプロセスがあると、なかなか変われないところがあります」と指摘する。
そこで川口氏が示したのがピープル、プロセス、テクノロジーが三位一体となったフレームワーク。テクノロジーを抜本的に変えて、それに合わせてプロセスを整備し、それに応じて人が変わっていくアプローチだ。
ピクシブはこのアプローチを実践している会社の1つ。bash氏は「3つの要素は線形に見えるかもしれませんが、実際はそんなに順序よく進むわけではなく、それぞれの要素が螺旋状に絡み合いながら進みます。例えば新しい技術を選定したとします。すると人の行動が変わり、仕組みも変わり、そうこうしている間に次の技術やバージョンアップが来て、さらに転用するという、相互作用を生みながら動いてきたのが実際のところです」と振り返る。
直近のピクシブにおけるテクノロジー変革の成果として挙げられるのがLLM活用率向上だ。月間のアクティブLLM利用率が、2024年の48%からわずか1年で80%にまで拡大した。これを後押しした内製のLLM研修は満足度が90%、活用意欲向上が95%と実に好評だった。
bash氏は「突然こうなったのではなく、LLMを活用しようというアナウンス、ガイドライン整備、社内研修、Slack対応チャンネル、問い合わせ窓口などの施策を多角的に組み合わせて、段階的に進めてきました」と経緯を話す。なおこのLLM利用率とは、それぞれが独自に活用するものではなく、会社が定めたルールに沿ったうえでの数字となる。
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加山 恵美(カヤマ エミ)
フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Onlineの取材・記事や、EnterpriseZine/Security Onlineキュレーターも担当しています。Webサイト:http://emiekayama.net
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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